コラム
COLUMN
顔認証・指紋認証・虹彩認証など生体認証の種類や認証方法の仕組み
高精度の本人認証を実現するため、生体認証は注目を集めており、導入する事例が増加しています。人の身体的特徴を認証の鍵とする生体認証には、さまざまな種類の認証方法が存在します。イメージが湧きやすい生体認証の種類は、顔認証や指紋認証、虹彩認証です。これらの種類の生体認証は、日常的なシーンからオフィスや施設を含め、普及しています。これから、導入されるシーンが増えると期待される生体認証の種類には、声紋認証や耳介認証などあります。数多くの生体認証の種類が技術革新により生まれ、セキュリティ強化に貢献しています。
◎生体認証の仕組みと精度
生体認証は、身体的特徴を利用して、個人を識別する種類の認証方法です。アクセスを許可する人物の生体情報を事前に登録し、登録済みの生体情報と比較・照合することで、本人識別を行います。生体認証は、個人特定能力が極めて高い種類の認証方法です。しかし、生体情報を取り込んだ際の、画像の精密さや、特徴の一致度の厳密さを、どれだけ追及するかにより、生体認証の精度が変動します。生体認証に、精度の高い照合能力を求めることは、セキュリティ強化などの観点から重要です。一方、精緻な本人識別を求めるほど、生体認証の照合に時間を要したり、本人が認証されない事態を招いたりします。時間短縮に偏りすぎると、生体認証の精度に影響を及ぼしかねません。研究と技術の進歩により、現在普及している種類の生体認証リーダーの性能は、すでに高速化・高精度化されていますが、スムーズな生体認証の実現には、設置目的に即したレベルに調整することが大切です。
◎顔認証の種類と仕組み
顔認証とは、顔を認証に用いる生体認証の種類のひとつです。目・鼻・口のパーツの位置や各パーツ間の距離、輪郭を基準に測定された、顔全体の領域面積を利用して、生体認証を実施します。入室権限を付与する人物は、事前に個人の顔を登録します。解錠する際は、認証リーダーのカメラがとらえた顔情報を読み取り、登録された生体認証情報と比較・照合して、本人確認を行う仕組みです。顔認証の識別方法の種類には、ビジュアル方式（＝2D認証）とIR方式（＝3D認証）、2つ種類があります。ビジュアル方式（2D認証）は、二次元で顔情報を分析・識別する、顔認証の種類です。IR方式（3D認証）は、三次元で顔を分析し本人特定を行います。IR方式における本人識別には、顔の凹凸など三次元情報が含まれるため、より精度が高い生体認証の種類として認知されています。認証方式が2種類ある顔認証には、さまざまな特徴があります。カメラの前を通り過ぎる、もしくは立つだけで生体認証が可能なため、非接触方式の生体認証方法として、非常に衛生的です。認証リーダーの種類によっては、眼鏡をかけたまま、もしくは、マスクをしたままでも本人識別が可能なため、非常に高度な本人識別能力を有しています。社員証や免許証など、顔を本人確認に使用する事例は多く、顔認証は、心理的負担の少ない生体認証方法という特徴もあります。顔を認証リーダーのカメラの範囲内に納めたら生体認証が可能なため、手袋をする職場や業務上、手が汚れる職場でも、選択しやすい種類です。登録した顔情報と現在の顔に時間の差が生じると、顔の経年変化により認証されない場合もあるため、その際は顔の再登録が必要です。
◎指紋認証の種類と仕組み
指紋認証とは、数ある生体認証の種類のひとつであり、指紋を生体認証に利用します。指先にある、隆線と呼ばれる渦型の盛り上がったラインと、凹んだ谷線というラインで形成される指紋を使用して、生体認証を行う種類です。指先の隆線にある、分岐や途切れているカ所を複数抽出し、分岐している向きや途切れている位置を特徴点と定め、個人指紋の特徴として記録します。事前に登録された特徴点と、指紋認証リーダーで検出した特徴点を解析・照合して、生体認証を行う仕組みです。認証種類には、静電容量方式・光学方式・超音波方式の3種類があります。静電容量方式は、体内にある電子が、接触により移動する性質を利用した認証方式です。隆線に電荷が集まることで電荷の移動を測定し、検出されたデータを登録済みの指紋と比較します。光学方式では指紋に光をあて、隆線では乱反射、谷線では全反射する特徴を用いて検出されたデータを、登録済みの指紋と比較する方式です。超音波方式は、指紋に超音波をあてて、跳ね返ってくる超音波の強さ・角度を測定します。立体的に指紋を検出する方式であり、3種類ある認証方式のなかで、1番新しく、既出の方式の弱点を克服した種類でもあります。指紋認証は、複数の特徴も有しています。指紋は、万人不変・終生不変という特徴があり、同じ指紋は2つと存在しない特徴があります。スマートフォンのロック解除などで、多くの人が日常的に行っている動作のため、違和感を覚える人は少なく、親しみやすい生体認証の種類です。認証リーダーの読み取り部分の汚れ、指についた水分、指紋の摩耗により、認証ができないケースがあるため、使用時は配慮が求められます。
◎虹彩認証の仕組みと特徴
虹彩認証とは、目の虹彩を本人特定の鍵として利用する生体認証の種類です。虹彩とは、瞳孔を取り囲む部分を指し、よく見ると模様があります。この模様を利用して、個人を判断する生体認証です。虹彩認証の利用時は、目に照射された光の反射を専用カメラで撮影し、虹彩を登録します。取得した虹彩の情報から、固有の模様、特徴やパターンを抽出して、特定の個人の生体情報として記録します。入退室を行う人物が、虹彩認証リーダーに目をかざすと、読み取った虹彩の情報と登録済の情報とマッチングを行い、生体認証を行う仕組みです。顔認証と指紋認証と比較すると、虹彩認証は、未経験である人の割合は多いですが、極めて識別能力が高い生体認証の種類のひとつです。虹彩は、左右の目で異なる紋様を所持しています。左右の目、それぞれで生体認証が可能です。同じ虹彩の模様を有した人間は、いないという特徴もあります。模様は、一卵性双生児でも同じにはならないため、精度の高い生体認証が実現します。虹彩は成長により変化しますが、顔認証のような再登録は不要です。虹彩は、2歳ころをめどに模様が定まり、その後は変化しない性質があるからです。認証時は、カメラに近づきますが、目を器具にあてる必要はありません。非接触方式の生体認証の種類として、感染症対策用としても衛生的です。同じ特徴を持つ人間はいないとされる虹彩認証は、個人を特定できる能力が高く、偽造が極めて困難な特徴があり、注目を集めています。一方、顔認証や指紋認証と比較すると、導入コストが高価であり、虹彩を読み取らせる行動は、まだ普及していないため、今後の発展が期待される生体認証の種類です。
◎今後普及が期待される生体認証の種類
生体認証は、顔認証・指紋認証・虹彩認証のほかにも、静脈認証や耳介認証などの種類があります。手のひらに走る静脈を利用して、本人確認を行う生体認証を静脈認証と呼びます。静脈認証は、体調や環境が認識の精度に影響を及ぼす場合があるため、精度の向上が望まれる生体認証の種類です。人間の声の周波数を認証の鍵とする生体認証が、声紋認証です。聞きなれない方は多いですが、個人の耳の形を用いて本人識別を行う、耳介認証も生体認証の種類のひとつです。各人が無意識にするクセをテンプレート化して、個人を特定する生体認証を行動認証と呼びます。行動認証は、行動的生体認証とも表現されます。他には、遺伝子配列で特定するDNAも、生体認証の種類に分類可能です。外耳道の形によって、反響音が異なる性質を利用した耳音響認証、眼球の白目部分に走る血管の特徴を用いる、眼球血管認証など、生体認証には多種多様の種類が存在し、技術力向上と普及が期待できます。
◎KJ TECH japanの生体認証リーダーFE-500・FE-600・KJ-3400・KJ-3500
規模や目的、求める精度を明確にした上で導入すると、FE-500・FE-600・KJ-3400・KJ-3500といった生体認証リーダーの性能が十二分に発揮されます。
〇FE-500
FE-500は、顔認証に対応する生体認証リーダーです。マスクをしていても顔の照合が可能であり、同時に5人まで認証できる性能を有しています。FE-500もスピーディーな認証速度を提供しており、要する時間は1秒以下です。（50K-Face 1:Nモードの場合）サイズは、192mm×92mm×30mm、ライトグレーのシンプルな色合いのため、場所を選ばす設置できます。
〇FE-600
顔認証機能があるFE-600は、マスクを着用していても、顔認証が可能なだけではなく、カメラに収まった5人の顔の同時認証機能を有しています。認証速度も高速化され、1秒以下を実現しています。（50K-Face 1:Nモードの場合）生体認証として、指紋認証機能があるため、高度なセキュリティ構築が可能です。FE-600のサイズは、192mm×92mm×30mmです。
〇KJ-3400
KJ-3400は、指紋認証リーダーとして最速レベルのスピードを誇っており、0.1秒で識別を行います。防水·防塵性能は、IP65等級のため、屋外への設置も可能です。カード認証機能も付与されており、KJ-3400を導入すると、二要素認証が実現します。サイズは、48 mm×138 mm × 38mmと、スマートな認証リーダーであるKJ-3400は、落ち着いた色味のカラーリングで、どの空間にも自然になじみます。
〇KJ-3500
KJ-3500の指紋認証に要する時間は、0.1秒であり、世界レベルでも最高の認証速度を提供しています。同時に、高性能な輝度センサーを有しているため、汚れた指や乾燥、ぬれた指でも正確な本人認証をもたらします。IP65等級の防水·防塵性能で、屋外設置にも対応しているだけではなく、カード認証機能により、二要素認証にも対応しています。
◎FE-500・FE-600・KJ-3400・KJ-3500生体認証リーダーの導入事例
セキュリティ強化が図れ、偽造が困難な情報を鍵とする生体認証リーダーは、各企業や施設で導入されています。
〇企業のオフィスにFE-600を導入した事例
協力企業の社員が多数出入りしていた企業では、関係者へ書面の発行と通行許可証を配布していました。事務作業の増加と、入室時の確認に時間と手間を要したため、改善策として顔認証リーダーFE-600を導入しました。認証リーダーに顔を登録した人物のみがアクセスできる顔認証を取り入れたところ、書面の発行や許可証に費やしていた時間が削減され、本来の業務に取り組むことができ、生産性が向上しました。
〇総合病院にFE-500を導入した事例
薬品や器具など、特別な許可を得た人物のみが立ち入りできるエリアを設けている病院では、本人確認の精度の改善という課題を抱えていました。個人特有の顔情報を鍵として利用し、高い個人識別能力を持つEF-500を課題解決のために取り入れました。制限エリアのセキュリティ強化が図れただけではなく、複数人同時で認証可能な機能を持つEF-500により、数名で出入りする際も、スムーズな環境を作り出せました。
〇製造工場にKJ-3400を導入した事例
限られた人物のみ操作が許可された機械のある製造工場では、機器操作時に、物理的な鍵を使用して、操作盤のあるエリアに入室していました。遅延のない対応と確実な本人認証を目指して、指紋認証リーダーKJ-3400を設置しました。認証速度が非常に早く、正確な本人確認が行える指紋認証は、円滑なオペレーションを実現しました。カード認証も同時に利用できるため、指紋が摩耗した時も問題なく運用できています。
〇市役所にKJ-3500を導入した事例
個人情報を扱うだけではなく、紙の資料も膨大な市役所のある部署では、セキュリティ強化と手軽に扱える生体認証リーダーを探していました。ファイルを持ったままでも、指1本で高い個人特定能力を有するKJ-3500を知り、導入を決めました。最速の認証スピードを誇るKJ-3500は、速やかな入室と個人情報の保護強化につながり、市民からの信頼向上にも貢献しています。
◎まとめ
人の身体的特徴を利用する生体認証は、本人識別能力が高度なだけではなく、さまざまな種類があります。普及が進み、想像にたやすい生体認証方法として、顔認証や指紋認証、虹彩認証があげられます。対応している生体認証リーダーの種類も増え、実用化されているため、親しみやすい認証方法です。一方、技術力の向上により、将来的かつ日常的に利用される生体認証の種類も、数多くひかえています。生体認証リーダーと導入目的に沿った生体認証リーダーの種類の選定は、KJTECH japanまでお問い合わせください。
