コラム
COLUMN
共連れ防止を強化できる入退室管理システムと生体認証の連携
共連れによる不正侵入は、情報漏洩や資産盗難、システムへの不正アクセスといった深刻なセキュリティリスクを引き起こします。共連れを防止するには、入退室管理システムにおける物理的・システム的な対策が不可欠です。さらに、入退室管理システムに生体認証を組み合わせることで、共連れ防止対策を強化することができます。
◎共連れがもたらすセキュリティリスク
近年、企業や施設において共連れによる不正侵入から、重大なセキュリティ事故につながるケースが相次いでいます。共連れとは、未承認の第三者が承認済みの人物と一緒に不正に侵入する行為であり、その方法は巧妙化しています。内部の協力者が関与し故意に第三者を入室させるケースと、認証済みの人物の背後から気づかずに侵入されるケースがあります。どちらのケースも入退室管理システムによる管理をかいくぐる不正侵入として、組織のセキュリティを脅かし、重大な事故につながるリスクが高まるのです。共連れによる不正侵入は、機密文書や顧客情報などの漏洩リスクを著しく高めます。個人情報や企業の機密情報が不正に持ち出されれば、社会的信用の失墜や損害賠償といった法的責任を問われる可能性もあります。さらに、内部ネットワークへの不正アクセスを許すことで、ランサムウェアやスパイウェアといったサイバー攻撃の起点となり、入退室管理システムなど建物全体のシステムダウンや情報資産の破壊を引き起こすこともあるのです。共連れによる不正侵入の物理的な被害としては、設備の破壊や機材・資産の窃盗といった直接的な損失も懸念されます。工場や倉庫といった施設での共連れは、生産ラインの停止や在庫品の紛失といった実害をもたらします。医療機関や重要インフラ施設においては、共連れによる侵入が人命に直結する事故を引き起こす危険性もあり、とくに入退室管理システムなどの厳格な共連れ防止対策が求められます。共連れが頻発する組織は、入退室管理システムなどのアクセス管理の不備を露呈し、内部統制体制を脆弱にする恐れがあるのです。共連れは組織内におけるモラルやコンプライアンス意識の低下を招きます。これが常態化すれば従業員のセキュリティ意識も緩み、さらなる不正や内部犯罪を誘発する可能性があるのです。また、入退室管理システムなどのアクセス管理や内部統制の脆弱性を外部に露呈することは、ISMSやPマークなどの外部認証の維持を困難にすることにもつながります。その結果、取引先や顧客からの信頼を損ない、ビジネスの機会を失われることにもなりかねません。とくに、個人情報や機密性の高いデータを扱う企業では、外部認証を失うこと自体が経営リスクになることもあります。このように、共連れは単なるセキュリティ上の問題にとどまらず、組織全体のリスクマネジメントに深刻な影響を及ぼす問題として捉えなければなりません。そのため、入退室管理システムの導入など、多層的な共連れ防止対策を行うことが不可欠になります。
◎入退室管理システムによる共連れ防止対策
入退室管理システムを活用することは、共連れを防止するための基本的かつ効果的な対策です。共連れは監視カメラだけではリアルタイムでの防止が難しく、発生後に映像記録によって原因究明や対策を講じる事後対応にとどまりがちです。そのため、共連れを根本的に防止するには、入退室管理システムを活用した多層的かつリアルタイムの防止策が不可欠になります。共連れ防止のための物理的な入退室管理システムの代表的な対策が、セキュリティゲートの導入です。セキュリティゲートのひとつであるフラッパー式ゲートは、通行時に一人ずつしか通れない仕組みであり、入退室管理システムとの連携によって不正な共連れ侵入を効果的に排除します。また、アーム式のセキュリティゲートを入退室管理システムに活用することも共連れ防止に有効です。アーム式ゲートは強固な構造により確実な単独通行を実現するため、共連れによる不正侵入を高い確率で防止できます。ただし、これらのセキュリティゲートを入退室管理システムに導入するには設置スペースや初期コストの確保が必要となるため、施設の規模や予算に合わせて検討することが重要になります。物理的な防止策に加えて、システム的な共連れ防止対策として注目されているのが、入退室管理システムのアンチパスバック機能です。入退室管理システムに搭載されたアンチパスバック機能とは、入室時に認証を受けた人物が退室する際も認証を必要とする仕組みです。この機能により、入退室管理システムの入室記録なしでの退室や逃走行為を阻止し、結果として共連れを防止する効果が期待できます。さらに、より利便性の高い入退室管理システムの機能にグローバルアンチパスバックがあります。グローバルアンチパスバック機能は、入室時の認証が行われた出入口とは異なる出入口であっても、認証記録を共有し退室を許可する仕組みであり、複数の出入口がある建物でも一貫した認証管理が可能となり、入退室管理システムの共連れ防止の精度を一層高めます。入退室管理システムのアンチパスバック・グローバルアンチパスバック機能を効果的に運用するためには、従業員への教育や運用ルールの徹底も欠かせません。入退室管理システムの正しい運用方法を周知徹底することで、共連れを組織的に防止する体制を構築することが可能です。KJ TECH japanの入退室管理システムには、こうしたアンチパスバックおよびグローバルアンチパスバック機能を搭載することができます。また、入退室管理システムとセキュリティゲートとの連携により、多層的でより強固な共連れ防止対策を実現します。
◎共連れを防止できる生体認証
入退室管理システムにセキュリティゲートやアンチパスバック・グローバルアンチパスバック機能を導入しても、認証方法が脆弱であれば共連れを効果的に防止することは困難です。共連れを根本的に防止するためには、入退室管理システムの認証方法自体を強固にし、本人以外の不正侵入を確実に遮断することが重要です。この点において、生体認証を活用した入退室管理システムは、高度な共連れ防止対策として極めて有効な手段となります。生体認証は、指紋や顔、静脈などの個人特有の生体情報を用いることで、入退室管理システムにおける本人確認の精度を飛躍的に高めます。カードや暗証番号による認証方法と異なり、生体認証は複製や貸与が困難であるため、なりすましや第三者による不正利用のリスクを大幅に防止できます。入退室管理システムで最も一般的に採用されている生体認証方法のひとつである指紋認証は、利用者の抵抗感が比較的少ないため導入が容易です。また、近年では高速認証技術が進歩し、多人数が頻繁に出入りするようなオフィスや施設の入退室管理システムに導入した場合でも入退室の流れが滞ることなく、共連れが発生する隙が生まれにくいという利点があります。一方、顔認証を活用した入退室管理システムも共連れ防止対策として非常に優れています。入退室管理システムと連携した顔認証は非接触で衛生的なだけでなく、複数人を同時に認証可能であるため、混雑時でも確実な本人確認を行えます。これにより、第三者が認証済みの人物と共連れで侵入しようとしても即座に検知・防止することが可能です。静脈認証を入退室管理システムに導入すれば、より厳格な共連れ防止が実現できます。静脈認証は手のひらや指の静脈パターンを赤外線センサーで読み取るものであり、生体情報の精度が高く、認証のなりすましや複製が極めて困難です。また、静脈認証とアンチパスバックやグローバルアンチパスバックを組み合わせて入退室管理システムに取り入れることで、より強力な共連れ防止効果が期待できます。さらに、異なる認証方法を組み合わせる二重認証を入退室管理システムに導入すれば、個々の認証方法の利点が組み合わさり、共連れ防止の精度を一層高めることができます。たとえば、顔認証と静脈認証を組み合わせた二重認証なら、複数人を同時に認証する顔認証の機能と、静脈認証の高精度な本人識別能力を同時に活用でき、入退室管理システムにおいて、より強固な共連れ防止対策が実現します。セキュリティゲートやアンチパスバック・グローバルアンチパスバックなどの入退室管理システムの機能に高精度な生体認証を組み合わせることで、共連れリスクを極限まで低減できるのです。
◎共連れ防止を強化する指紋認証リーダーKJ-3400F
指紋認証リーダーKJ-3400Fは、入退室管理システムと連携することで本人以外の通過を確実に排除し、共連れによる不正侵入を効果的に防止します。方向指紋認識機能を搭載している指紋認証リーダーKJ-3400Fは、指の向きを問わず認証できるため、入退室管理システムにおける正確な本人確認が可能です。また、0.1秒という高速認証を実現しており、通行者が多い施設の入退室管理システムでも滞りなく認証を行うことができます。これにより、認証時の混雑による入退室管理システムのセキュリティの緩みを排除し、共連れの防止効果を高めることができるのです。入退室管理システムにおける導入のしやすさも、指紋認証リーダーKJ-3400Fの魅力のひとつです。スリムなデザインで狭小スペースにも設置でき、コストを抑えつつ入退室管理システムの高いセキュリティを実現します。さらに、500DPIの高解像度光学センサーを搭載しており、指紋の微細な特徴まで正確に読み取ります。これにより、入退室管理システムの認証精度が飛躍的に向上し、不正アクセスの発生を防止するうえで大きな力を発揮するのです。指紋認証リーダーKJ-3400Fには最大200,000件のイベントログを保存できるため、万が一共連れなどのトラブルが発生した際の証跡として活用でき、迅速な原因究明と再発防止策の構築に役立ちます。指紋認証リーダーKJ-3400Fを入退室管理システムに活用することで、共連れのリスクを最小限に抑えつつ、高い認証精度と運用効率を両立したセキュリティ体制を実現できます。
◎高い認証率の静脈+顔+カード+暗証番号認証リーダーFE-700VE
KJ TECH japanのFE-700VEは顔・静脈・カード・暗証番号に対応しており、施設の運用やセキュリティレベルに応じた柔軟な入退室管理システムの運用を実現できます。4つの認証手段を活用することで、万が一特定の認証手段が使用できない場合でも代替手段を用いた運用が可能となり、入退室管理システムの認証精度と可用性の両立を実現します。共連れ防止対策としては、顔認証の最大2mまでの読み取り可能距離とマルチ認証機能が役立ちます。入退室管理システムのゲート前に2人以上が並んでいても、誰が認証され、誰が未認証かを正確に判断できるため、共連れによる不正侵入を即時にブロックすることが可能です。さらに、顔写真や映像を用いた不正認証を防止するライブ検出機能を備えており、リアルタイムでの生体的反応を感知し、入退室管理システムと連携することでなりすましを確実に阻止します。FE-700VEの静脈認証は、手のひらの内部にある静脈パターンを赤外線センサーで読み取る方法を採用しており、豊富な静脈情報により複製や偽造が極めて困難です。静脈認証単体でも高いセキュリティ性を誇りますが、これに顔認証を組み合わせた二重認証を構築することで、入退室管理システムの共連れリスクをより一層低減できます。最大10,000件の顔および静脈データを登録でき、さらに200,000件ものイベントログを保存することが可能なFE-700VEは、従業員数が多い大規模施設においても、入退室管理システムにおける共連れ対策の徹底が図れます。入退室管理システムと連携し、これらの記録データを分析することで、共連れなどのトラブル発生時の原因追跡や再発防止策の策定に役立ちます。
◎入退室管理システムの共連れ防止対策に生体認証を活用した事例
入退室管理システムに生体認証を組み合わせることで、企業や施設ごとのセキュリティ要件に応じた高精度な共連れ防止対策が実現します。
⚪︎コールセンターの共連れ防止対策に指紋認証KJ-3400Fを導入
コールセンターでは多くの顧客情報を扱うため、共連れによる不正侵入防止が課題となっていました。入退室管理システムに指紋認証KJ-3400Fを導入したことで、高速かつ高精度な認証が可能になり、共連れ防止に貢献しています。また、200,000件保存可能なログ管理機能により履歴の追跡も容易となり、個人情報を扱う現場に求められる厳格なセキュリティ体制が確立されました。
⚪︎研究機関の共連れ防止対策に静脈+顔+カード+暗証番号認証リーダーFE-700VEを導入
機密情報や高リスク物質などを保有する研究機関において、共連れによる不正侵入は信頼性と安全性を著しく損なう重大なリスクです。入退室管理システムに静脈・顔・カード・暗証番号認証が可能なFE-700VEを導入し、顔認証と静脈認証の二重認証を行うことで、高度な共連れ防止対策を実現しました。非接触で高速な認証により、入退室管理システムの衛生面と業務効率にも貢献しています。
◎まとめ
共連れによる不正侵入は、企業や施設のセキュリティに重大な影響を及ぼします。これを確実に防止するには、入退室管理システムにセキュリティゲートやアンチパスバック、生体認証などを組み合わせた多層的な対策が有効です。共連れ防止対策に指紋認証や顔認証、静脈認証などの生体認証を用いた入退室管理システムの導入をご検討されている方は、KJ TECH japanまでお問い合わせください。